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スタイルのある生き方。
かっこいい女性は自立し、自律している人。
生きていくために、自分で稼いで、どう働くかはその人次第。
苦境をものともしない精神力の持ち主。
個性的な小さな店が並ぶ新潟市上古町。 その一角に着物のリサイクルショップ「姫胡桃」があります。
質もセンスも良く、かつリーズナブルな帯や反物、着物がそろっていると評判。
この店を一人で切り盛りするのが、阿部多佳子さん。
以前は一般企業の営業職で活躍していたという彼女が、心機一転、お店を始めたのは? 一人で働くホンネを聞いてみました。
阿部多佳子さん プロフィール
あべたかこ・1966年阿賀野市生まれ。新潟県立女子短期大学(現・新潟県立大学)卒業後、マクセル株式会社新潟営業所に入社。営業職を28年間勤め、退職。2016年に新潟市中央区東堀通り沿いに着物リサイクル「きもの処 姫胡桃」をオープン。2019年古町通りに移転。
―以前はバリバリの営業ウーマンだったとか。
阿部さん メーカーの新潟営業所に就職して営業を担当していました。一人でお客さんを回って企画を提案し、それなりにやりがいもあって楽しかったので、絶対に定年まで会社にしがみついてやると決めていました。でも勤続28年で辞めちゃったんです。
―なぜ会社を辞めたのですか。
阿部さん 営業所がなくなるので社員は東京勤務となると。私は当時40代後半で、東京に出て仕事の内容も生活も変わるなんて、やっていく自信がありませんでした。
―40代後半に無職。不安はなかったですか。
阿部さん う~ん、不安はなかったとは言えないけれど、自分のマンションも買っていてそのローンも終わるし、退職金もあったから。派遣で働いて自分一人の生活費を稼げれば何とか生きていけると思っていましたね。
運よくルートセールスの正社員の職に就いたんですが、2カ月で辞めました。一つの会社に長く居すぎて、他の業界や会社のやり方が受け入れられなくて。でも、一番の原因は、扱う商品が自分の嫌いなものだったこと。組織に属するのは年も年だから無理だし、好きなものを扱う仕事でないと続かないと気付きましたね。
―それで店を。
阿部さん 失業中にハローワークの創業スクールに通っていて、起業する女性のための補助金制度があると教えてもらい、応募することにしたんです。やるならば、好きなものを仕事にすべきと学んでいたから、それなら「着物」だと。
―着物はいつから?
阿部さん 42、43歳のころから着物の魅力にとりつかれ、着付けのお免状も取りました。もう一財産使いましたね(笑)。
自分も含めて、周りに着物を持て余している人がいっぱいいたから、リサイクル屋はどうだろうと。着物を預かって、手頃な価格で販売して、売れたら持ち主に半額渡す。お洋服を着るように着物を楽しんでもらえる、すてきなリサイクル屋を作ろうと思ったんです。
―オープンは2016年、順調でしたか。
阿部さん ここは4年前に移転して、前の店は広くて良かったけれど、家賃が高く人通りも少なく、うまくいかなかったんです。もう何をやっていいか分からず、どこで間違えちゃったのかなと辛かったですね。
それでも、もしかしたら来月は良くなるかもしれないと思って、資金が底を尽くまでそこで3年間粘りました。
―やめようと思うことも。
阿部さん ちょっとは思いました。でも、やめたら絶対に後悔する。やめてみじめな人生になってしまったと思うのが絶対に嫌で、何とかしたかった。意地で続けて、思い切って狭いけれど家賃が安い、ここに移転を決めたんです。
―移転で何か変化は。
阿部さん 今も毎月厳しい(笑)。でも、前に比べればお客さんもいるし、常連のお客さんが定期的に来てくれるので、悲壮感はなくギリギリ何とかなっています。何より、毎朝起きると「さあ、今日は何をしよう」と張りがありますね。お客さんが来ない日も、一人で何か作ったりして、そこそこ楽しい。
―店を一人でやる良さは。
阿部さん 何でも自分の思うようにできるから、一人で仕事をする方が好きですね。人に薦めるからには、自分がいいと思うものを仕入れる。お客さんには似合わなければ似合わない、マイナス面も全部はっきり言います。初心者の方にも着方や手入れの仕方をきっちり説明します。難しいかなと思うけど、いつか、ああこういうことだったんだと思い出してもらえればいいなと思って。
―お客さんに印象悪く思われたりも?
阿部さん ありますね。自分が反面教師なんです。何も分からず、お店の人に言われるがままに着物を買って、沼にハマってしまったから。だからこそ、着物はまともな価格で売る、思ってもいないことは言わない。物を雑に扱う人には接客しない。やるべきことやらないことをきっぱり決めて、そうやって働くのがとても気持ちがいいんです。
―「はたらく」意味とは。
阿部さん 独り身なので、もちろん経済的な自立はありますが、それだけならもっと稼げることを考えます。むしろ精神的に自立するということが大きいかな。それは、プライベートも含め、つまづいた時には自力で立ち直る、立て直すことができるということ。自分のミスは自分でぬぐって。責任をしっかり負えるよう、小さい規模で一人細々とやるのが私にはちょうどいいんです。
―心配なことはありますか。
阿部さん もし、自分に何かあったら、この店のことは私しか知らないこと。プライベートなことは近い人にお願いねと言っておけば済むけれど、店は一人で商売しているから誰に託しようもなくて。皆さん、どう対策しているか聞きたいですね。
ちょっと具合が悪くなったときとかも、ここで死ぬわけにはいかないと思う。本当に体調管理をしっかりやって、だからこそ、商売は徐々に小さくしていかなければならないと思っています。
―これからは。
阿部さん 細く、長く生きていきたい。お店はよっぽどのことがなければやめる気はないですね。もし店をやめたら家から出なくなっちゃう。
お客さまから「早くサロンにしてください」と言われるんですよ。お客さまも一緒に年を取っていく中で、着物を着て出かけ、お茶を飲んでおしゃべりできるような場所ができることを楽しみにしてくれています。もう少し私に余裕が生まれてからの話ですが。
―おひとりで店を始めたい人へのアドバイスを
阿部さん 私がそんなに稼げなくてもなんとかなると思えるのは、28年間の会社勤めで退職金をもらい、これからは企業年金を当てにできるからだとは思います。
でも、自分ひとりの暮らしはぜいたくしなければ、そんなにお金がかからないものです。それらがなくても、実店舗を持たずにネットや自宅でやろうと思えばできます。気を付けることは、本当に好きなことでなければ続かないということ。そして、今は自分にとってマイナスに感じることも、将来きっとプラスに変わるから、頑張って堪えてほしいですね。
きもの処 姫胡桃
tel/050-5274-9534
住所/新潟市中央区一番堀通町685-7
営業時間/13時30分~18時
※13時~の日もあり、HPで確認を
定休日/月曜
HP/https://www.himekurumi.jp
東京でテレビディレクターとして報道・ドキュメンタリーに携わるが、出産のためUターン。2010年から雑誌の編集・執筆を行う。事実婚のため戸籍上はおひとり。自分と動物に甘く、人に厳しい。
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